金属加工で使われる代表的な機械

 

金属加工で使われる代表的な機械

金属加工は、大きく「研削加工」「切削加工」「特殊加工」の3種類に分けられ、それぞれの工程に応じて、さまざまな機械を組み合わせながら行います。

ここでは、高精度な金属加工を可能にする機械の中で、「NC工作機械」「NC旋盤」「マシニングセンタ」の特徴について紹介していきます。

NC工作機械について

NC工作機械とは、数値制御(Numerical Control)が備わった機械のことで、金属材料によって使う工具や作業工程を自動で行います。NCによって、人の作業は機械を遠隔で監視するだけなので、一人で複数台の操作が可能になり、人的コストや生産性の向上につながります。

NC工作機械には、代表的な「NC旋盤」「NCフライス」の他に、工具を自動で交換する「ターニングセンタ」「マシニングセンタ」や「NC研削盤」「NCボール盤」「NC中グリ盤」「NC歯車加工機」「放電加工機」「レーザー加工機」など、さまざまな加工に対応したものがあります。

NC加工(エヌシーかこう、英語:numerical control machining)とは、数値制御(NC)による機械の加工方法である。ドリルなどに代表される切削用工具の刃先の動作を座標値によって定義し、その情報をもとに工作機械に内蔵されたサーボモータが動くことによって工具や被加工物が動作し、加工が行われる。一連の刃先の加工動作情報をNC装置へ入力する必要があるが、この情報を記述したものを、NC加工NCプログラムと呼ぶ。JISではNCを「数値制御工作機械において、工作物に対する工具の位置を、それに対応する数値情報で指令する制御方式」と定義している。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

NC旋盤について

旋盤とは、円盤状や円筒形の金属素材を回転させバイトと呼ばれる刃を当てて削る機械で、その上に数値制御の機能をもたせたのがNC旋盤です。

汎用旋盤では、前後や左右の1軸のみの自動送りですが、NC旋盤では2軸同時に自動送りできて、テーパー切削や局面、球面などの加工が容易に行えます。

NC旋盤は、旋削加工で使われる「NC工作機械」です。
NC制御によって、複数のバイトを自動で交換しながら、外周削り・穴あけ・ねじ切りなどを自動加工。
作業者による加工のバラつきがなくなり、量産部品の安定加工が実現 します。
最近では、マシニングセンタと融合した「ターニングセンタ」とよばれる複合機械などが誕生し、多機能・高機能化が進んでいます。

出典: はじめの工作機械『NC旋盤ってどんな機械?』

マシニングセンタについて

マシニングセンタとは、「旋盤」「ボール盤(ネジたて)」「中グリ盤」「フライス盤」などの加工が1台で行えるNC工作機械です。
切削プログラムに合わせて必要な工具が自動で交換でき、機械の軸構成によってそれぞれのマシニングセンタが使われています。

さらに進化した、直交3軸と旋回2軸を同時に加工する「5軸制御マシニングセンタ」の普及も進んでいます。

マシニングセンタ (machining center)は、自動工具交換機能をもち、目的に合わせてフライス削り、中ぐり、穴あけ、ねじ立てなどの異種の加工を1台で行うことができる数値制御工作機械である。工具マガジンには多数の切削工具を格納し、コンピュータ数値制御 (CNC)の指令によって自動的に加工を行う。 NCフライス盤との違いは、主軸の構造に大きな違いがあり、マシニングセンタよりもNCフライス盤の方が重切削に向いているという点である。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

プレス機械について

プレス機械には、「機械プレス」と「油圧(液圧)プレス」の2種類があります。

機械プレスは、電動モータの回転運動で、金属素材を金型で成形する方法です。
「C型プレス」「ストレートサイドプレス」「トランスファプレス」「高速精密自動プレス」「サーボプレス(工業会規格103対象機種)」「粉末成形(メタルパウダー)プレス」「インクリメンタルフォーミング機(ダイレスNC加工機)」「冷感鍛造プレス」「熱間鍛造プレス」「熱間ばね製造プレス」「スクリュープレス」などがあります。

一方、油圧(液圧)プレスは、油もしくは水の圧力を利用し成形する方法です。
「汎用油圧プレス(C形・門形など)」「油圧サーボプレス(サーボモータ油圧ポンプ直同式)」「ファインブランキングプレス」「ダイスポッティングプレス」「ハイドロフォーミングプレス」「粉末(メタルパウダー)成形」などがあります。

プレス機械(プレスきかい、英: forming press)とは、金属素材に強い圧力を加え、金型の形状に変形させる機械である。 漢字表現では鍛圧機械とも。プレス機械に金型を装着し、金属などの素材(被加工材)を金型の間に挟みこみ、強い力を伴った上下動により素材を金型表面に押し付けて、金型と同じ形状に加工する。用いられる金型により、曲げる、せん断(切断)する、絞る、つぶすなどの加工をすることが可能である。いずれの加工にせよ、加工時に発生する力を機械の系の中で支えるのがプレス機械の特徴である(対して、加工時に発生する力を機械の系の外へ放出するものは「ハンマー」とよばれる)。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』