機械板金について

機械板金の加工は、専用の機械によるオートメーションで行うため、一定の品質で大量生産しやすいという特徴があります。

機械の進歩により機械板金の対応範囲が広がっていることから、今では板金というと機械板金を指すことが多くなっています。

板金加工工程は、材料となる金属によって異なります。

代表的な板金材料の特徴について見ていきましょう。

板金加工に使われる金属材料の特徴について

板金材料の種類は、「鉄鋼」と「非鉄鋼」の2種類があります。

鉄鋼材料には、「軟鋼板」「表面処理鋼板」「ステンレス鋼板」、非鉄鋼材料には、「アルミニウム板」「銅板」などがあります。

「軟銅板」は一般的に「鉄板」と呼ばれるものです。

鉄は、もっとも知られている材料で、一般的にSPCC、SPHC、ポンデ鋼板、亜鉛鋼板などが使われます。

それぞれの特徴は、SPCCは曲げなどの加工がしやすく安価で、SPHCは自動車などの車両や電気器具などに適しています。

また、ポンデ鋼板は塗装がしやすく、亜鉛鋼板はさびにくいという特徴があります。

「表面処理銅板」は、軟銅材表面をメッキ加工、さらにメッキの上に塗装加工した材料です。

「ステンレス鋼板」は、銅にクロムを12%以上添加したものをいいます。

ステンレスには、さびにくいという特徴から、台所など建築部材の水回りに多く使用されます。また、熱に強いことから、部材同士を接合する際の溶接の材料としても適しています。

「アルミニウム板」は、1円硬貨やアルミ缶などで知られていますが、軽く、加工がしやすいという特徴のほかにも、伝熱性、導電性に優れ、劣化しにくいメリットがあります。

「銅板」も、アルミニウムと同様に、伝熱性、導電性に優れていますが、高価なため使用用途は限られ構造部品として使用されることはほとんどありません。

用途によってあった金属素材を用いて、素材に応じた方法で板金加工を行います。

つづいて、板金加工での代表的な加工方法について見ていきましょう。

せん断加工について

せん断加工とは、プレス機と抜き型を使って、板金素材の上から圧力をかけ、所定の形に切り抜く方法です。

下の金型「ダイ」と上の金型「パンチ」で板金素材を挟み、その上から圧力を加えて切断する仕組みです。板金素材が抜き型の内部にめり込み、その型に沿った形状に切断されます。

はじめの工作機械「せん断加工」

(引用:はじめの工作機械「せん断加工」

せん断のプロセスは次のとおりです。

  1. パンチとダイの間に、板金素材を置きます。
  2. そこにパンチが降下して、接触した板金素材部分が金型に押し込まれます。
  3. パンチの圧力が強まり、板金素材の断面に「せん断面」を形成しながら貫通し、せん断が完成します。

このとき、破断面の端部にできる亀裂をバリ(かえり)といい、この断面を滑らかに処理することをバリ取りといいます

せん断加工の種類には、外形を作る「ブランク抜き」、穴を開ける「穴抜き」、余分な部分を切り去る「切欠き」、2つの部材に分ける「分断」があります。

曲げ加工について

曲げ加工とは、板金素材の金属板をパンチとダイで上下に挟み、所定の形状に曲げる方法です。

曲げ加工の種類には、「型曲げ」「フランジ成形」「送り曲げ」などがあります。

「型曲げ」とは、金型に固定する方法です。

はじめの工作機械「曲げ加工」

(引用:はじめの工作機械「曲げ加工」

ダイの上に板金素材を固定して、上からパンチで圧力をかける「突き曲げ」と、フォールディングマシンで板金素材を側面から折り曲げる「迎え巻き上げ」という方法があります。

また、「V字」「U字」「L字」「Z字」など、さまざまな形状に曲げることができます。

「フランジ成形」とは、型曲げのL字曲げから発展した方法で、曲げのラインが2次元や3次元になるよう成形します。

複雑に湾曲させる技術は、自動車のボディなどに用いられています。

板金素材を内側に湾曲させる「伸びフランジ成形」と外側に湾曲させる「縮みフランジ成形」があります。

そのほか、板金素材を型に固定するのではなく、ライン上で前進しながら徐々に曲げ加工を行っていく「送り曲げ」という方法もあります。

送り曲げには、大きな半径で円の断面を作るシンプルなものから、複雑な断面形状まで幅広く対応。

3本のロールで行う「ロール曲げ」と複数組のロールで連続的に行う「ロール成形」などがあります。

絞り加工について

絞り加工とは、板金素材の金属板を凹ませることで成形する方法で、仕上がりに継ぎ目がないことが特徴です。

絞り加工とは板金加工のひとつで、一枚の金属の板に圧力を加え、絞り込み(圧縮し)凹状に加工し、容器形状にすることである。

 

引用元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

加工したい形状に合わせた凹状の金型ダイとダイに沈み込む凸型のパンチで、板金素材を挟んで圧縮します。

仕上がりの製品の直径より浅いものを「浅絞り加工」、深いものを「深絞り加工」といいます。

円筒のようなシンプルな形状から、角筒、円すいなど、さらに異なった絞りを組み合わせることで複雑な形状に加工することも可能です。

絞り加工の際には金属板の端にシワがよりやすくなるため、それを防ぐために「シワ押さえ板(ブランクホルダー)」を使用します。

張り出し加工について

張り出し加工とは、板金素材に圧力を加え、金属を伸ばして立体に成形する方法です。

張り出し加工

 

引用元:石川県工業試験場

絞り加工が、板金素材をダイの穴の中に引き込んで圧縮するのとは異なり、張り出し加工は、金属を伸ばして立体化する方法。

表面に凹凸の模様を施すエンボス加工も、この張り出し加工によるものです。

張り出し加工には、「パンチ張り出し加工」「液圧張り出し加工」のほかに、「手板金による張り出し加工」があります。

「パンチ張り出し加工」は、パンチで板金素材に圧力をかけて成形する方法で、「液圧張り出し加工」は、パンチを使用せず、液圧で板金素材を押し出す方法です。

パンチを用いた方法では、接地面の圧力に偏りが生じますが、液圧は全体均一に圧力がかかるのが特徴です。

「手板金による張り出し加工」は、板金素材をハンマーなどの工具を使って手作業で加工する方法で、より緻密な加工が可能です。