一般的な板金加工の流れ

板金加工では、さまざまな金属材料を使用しますが、その厚さは規格で定められています。

厚さは材料によって範囲が異なります。一般的な材料別の板厚は次のとおりです。

※厚さ「t」単位「mm」で、1.0mmの厚さであれば「t1.0mm」で表示

  • ステンレス:t0.3~t6.0mm
  • アルミ:t0.5~t6.0mm
  • 鉄:t1.0~t6.0mm
  • 銅:t0.3~t2.0mm

これらの金属から、用途に適した板厚の材料を選び加工の工程に入ります。

一般的な板金加工工程の流れは、次のとおりです。

  1. 図面展開
  2. 切断・抜き加工
  3. 前加工
  4. 曲げ加工
  5. 溶接加工
  6. 仕上げ・表面加工

これらの加工工程を詳しく見ていきましょう。

1.図面展開

板金加工工程の設計図面を展開します。

完成物の設計図を元に、板金素材の金属板を仕上がり寸法に合わせて切断するための工程です。

金属板は曲げ工程の過程で、寸法に伸びが発生します。そのため、図面展開の際は、加工時に発生する伸びを考慮する必要があります。

例えば、100cmの金属板を直角に曲げた場合、50cm+50cmではなく、板厚によっては50.1cm+50.1cmほどの伸びが生じます。

そのため、1枚の板を1辺50cm角のL字に曲げる場合、0.1cmずつの誤差を差し引く必要があります。

加工後に求める寸法に仕上げるためには、伸びの数値を算出した上で図面を展開します。

2.切断・抜き加工

 

金属材料を所定の形状に切り出したり、穴を開けたりします。

これらの加工では、切断加工に「レーザーマシン」抜き加工に「タレットパンチプレス(タレパン)」などの機械を使用します。

「レーザーマシン」は、専用のプログラムを作成することで、複雑な形状の切断や抜きなどの加工が可能です。

「タレットパンチプレス」は、直線加工や穴加工など比較的単純な形状の加工に適しています。

展開する形状に合わせて、これらの機械を組み合わせながら切断や切り抜き加工を行います。

 

3.前加工(バリ取り、タップ加工)

次の曲げ加工の前に、切断・抜き加工の際に発生した金属部材の断面処理を行います。

切り出しの際、発生した切断面の亀裂(バリ)を、後工程のために処理「バリ取り」を行います。

また、ネジ穴を開ける「タップ加工」もこの前加工の段階で行います。

4.曲げ加工

切断した平面の板金素材を図面通りに曲げる加工です。

ここでは、「プレスブレーキ」や「ベンディングマシン(ベンダー)」と呼ばれる機械と「パンチ」「ダイ」の工具を使用します。

ダイの上に金属部材を載せて、その上からパンチで圧力を加えプレスすることで、部材を湾曲させます。

曲げの角度や形状が同じであっても、材料や厚さによってダイのサイズが異なるため、その都度設定に合った工具の入れ替え「段取り替え」の作業が必要です。

5.溶接加工

部材同士を溶接で接合します。

溶接とは、金属を熱で溶かして合体させる方法で、「圧接法(加圧溶接)」「融接法(溶融溶接)」「ろう接法(ろう溶接)」があります。

  • 圧接法(加圧溶接):部材同士を機械的な圧力を加えて接合する方法
  • 融接法(溶融溶接):被覆アーク溶接など、2つの部材を融点より高い温度で加熱して液状で混ぜ合わせて接着し、その後に冷却し固める方法
  • ろう接法(ろう溶接):部材より低い融点を持つ金属の溶加材(半田や銀ロウなど)で溶解させて接合する方法

溶接加工は、板金素材が薄いと歪みが生じやすく、一つの部材で溶接箇所が多くなるほど加工の難易度が上がります。

6.仕上げ・表面加工

塗装やメッキなどで表面処理を施します。

加工の段階で生じた凹凸部分や表面のキズなどを補修して仕上げる工程です。「パフ仕上げ」や「メッキ」などの特殊な表面加工もこの工程で行います。

「パフ仕上げ」とは、布や皮、ゴムなど柔らかい素材に硬い粒状の物質を付着させたパフを回転しながら、表面を磨く方法です。

「メッキ」とは、金属表面の保護や防サビ、また光沢感など見た目の美しさを出すために金属の薄膜を覆う加工です。