6.金属加工で使われる代表的な金属素材

金属加工で使われる代表的な金属素材

金属加工で使われる素材はさまざまですが、加工する用途や加工方法によって、設計の段階で適応する素材を決定します。
金属加工で使われる一般的な素材と特徴について見ていきましょう。

鉄系金属

金属材料の中でも鉄系素材は、安価で加工性に優れ、熱処理がしやすいことから多くの製品に使われています。
一般的に鉄と呼ばれるものは、2%以下の炭素などを含んだ鉄の合金である銅(鉄鋼)を指しています。

鉄について

鉄は、原子番号26の金属元素の一つです。金属製品の約90%を占めるといわれ、鉄道や船舶、産業機械などあらゆる産業の基盤といえます。

炭素鋼について

炭素鋼は、含まれる炭素量を「S45C」などで示し、「S10C」から「S55C」まで20種類ほどあります。
熱処理により、大きく性質を変えることができるという特徴があり、主に、機械の部品など幅広い用途で使用されています。

合金鋼について

合金鋼とは、炭素鋼に一つまたは複数の元素を添加した合金元素です。例えばクロムやモリブデンなどさまざまな性質を加え、焼き入れ熱処理の効果を高めた鋼種で、ステンレス鋼がよく知られています。

合金にすることで、純金属の状態よりも強度や機械的性能が高まります。

鋳鉄について

鋳鉄は、鉄・炭素・シリコン・マンガン・リン・硫黄で構成されています。炭素は、融点を下げる性質があり、低温での溶解や鋳造が可能になり、加工形状の自由度が上がります。
エンジンなどの自動車部品やマンホールなどに使用されています。

非鉄金属

非鉄金属とは、鉄および鉄を主成分とした合金のことをいいます。

非鉄金属には、「銅」「鉛」「金」「亜鉛」「アルミニウム」「マグネシウム」「クロム」「レアメタル」「ニッケル」「タングステン」「コバルト」などがあります。

特殊鋼について

特殊鋼とは、鉄に炭素以外のさまざまな元素を加えた合金鋼のことです。添加する元素の性質によって、強度や硬度、耐食性耐摩耗性など、素材に特性を持たせることができます。

アルミニウムについて

アルミニウムは、鉄の中でも、特に軽くて柔らかいという性質を持っています。軽量かつ強度が求められる、飛行機の機体や携帯電話のカバーなどに幅広く使用されています。

銅について

銅は、古くは青銅器や和同開珎、武器、農具などに使われていました。

青銅のほか、純銅や真鍮、白銅などがあります。工業用では主に純銅が使われ、加工性、耐食性、熱伝導性、抗菌性に優れ、医療や船舶、建設などの分野で多く使われています。

 

真鍮について

真鍮とは、銅と亜鉛の合金で、圧延(ローラーの間を通して圧力で延ばす)による破壊しにくく延性(薄く延ばして加工)に優れています。

また、電気伝導性、加熱による形状加工の柔軟性、被削性(切削加工がしやすい)が高いことから、印刷機や精密機器、給水管、理化学機械など、また電気伝導の特性から、コネクターコンセントなど接続器にも活用されています。

チタンについて

チタンは、「純チタン」と「合金チタン」に分けられます。添加物が多く含まれる合金チタンは素材によって強度を高めることが可能になり、軽量・硬度・高耐食性という特徴から、航空機や船舶、建設分野で幅広く使われています。

また、チタンは、地球上の埋蔵量が4番目に多く、金属の中でも特に安定供給できる有用な資源です。

マグネシウムについて

マグネシウムは、強度と比重を示す比強度がもっとも優れた金属です。
軽量かつ強度であるという特徴から、自動車や家電製品、ノートパソコン、携帯電話など、幅広い分野でニーズが高まっている素材の一つです。

ステンレスについて

ステンレスは、鉄50%にクロムを10.5%以上含む合金で、防サビ性に優れていることが大きな特徴です。ステンレスの用途は多岐にわたり、食卓から原子力、宇宙開発まで、もっとも広範囲に活用されている金属素材の一つです。

純モリブデンについて

モリブデンとは、金属元素の一つです。モリブデンの含有率が99.9~99.99%のものを純モリブデンといいます。

特徴は、非常に高強度で高融点という点です。部品の機械的・化学的特性に対応できる優れた素材で、エンジン系統や真空炉、航空機などの実験治具などにも用いられています。

インコネルについて

インコネルとは、ニッケル、炭素、鉄、クロムなどの合金をいいます。

特に、耐熱性・耐食性に優れ、高温下で長期間耐える強度を持つ特徴があり、高級車やFIレーシングカーなどのマフラーの素材として使われています。